RFP（提案依頼書）とは？

RFP（提案依頼書）は、特定のプロジェクトやサービスに対する提案の依頼書を意味します。これは、組織が外部のベンダーやサービスプロバイダーにプロジェクトの説明を行い、それに対応する具体的な提案書を提出するよう求める文書です。RFPは、主に企業、政府機関、非営利団体などが使用し、プロジェクトの目的、要件、評価基準などを明確に定義することで、最適なベンダーを選定するのに役立ちます。提案依頼書を送付し、書類を参照して入札を検討するように依頼が来るのが一般的です。

RFPを受け取った会社は、入札を行うか行わないかの決定をすることができ、入札を行う場合は、関連する提案書と見積書を提出することになります。通常、期間は余裕を持って1週間～2週間程度与えられるのが一般的です。

RFP（Request for Proposal）とは？

業務会話例

顧客企業：来週までにRFPを作成して提出いたします。
開発会社：RFPを受領後、いつまでに提案書と見積書を提出すればよろしいでしょうか？
顧客企業：RFP提出後、2週間後に書類と見積書を提出して入札して頂ければ結構です。
開発会社：承知いたしました。

この提案依頼書には、顧客企業が作成したいプロジェクトの機能が詳細に記載されていますが、詳細ではあるものの、すべての機能が100％網羅されていると信じてはいけません。一見、当然のように思える個人情報取り扱いに関することや単純な機能などは、RFPに含まれていない可能性があります。そのため、RFPを受け取っても、不足している部分がないか注意深く確認し、連絡して、その部分は不要なのかを確認する必要があります。

**RFPを送付しながらも、不明な点があれば質問するように指示があるので、質問することを恐れてはいけません！**

その後、RFPに基づいて見積書を作成して送付することになりますが、顧客企業が考えていない機能や提案を一緒に提示すると、競争入札で成功する可能性が高まるというメリットがあります。ただし、価格も評価項目に含まれるため、価格が大幅に上昇するような提案をするのは得策ではありません。

RFPの主要構成要素

**1. プロジェクト概要：**

プロジェクトの目的と目標を簡単に説明します。これにより、提案者はプロジェクトの背景と必要性を理解することができます。

**2. 詳細要件：**

プロジェクトの具体的な要件と期待される成果物を明記します。技術仕様、機能要件、性能基準などを含めることができます。

**3. 提案書提出指示：**

提案書の作成と提出に関する指示を提供します。形式、分量、提出期限、必要な書類などを明確に説明します。

**4. 評価基準：**

提案書を評価するために使用される基準を説明します。価格、品質、経験、技術力、納期遵守などが含まれる場合があります。

**5. プロジェクトスケジュール：**

プロジェクトの主要なスケジュールとマイルストーンを示します。開始日、完了日、中間レビューのスケジュールを含め、提案者がスケジュールに沿って計画を策定できるようにします。

**6. 予算：**

プロジェクトに割り当てられた予算を明記します。これは、提案者が現実的な費用を見積もり、提案書を作成するのに役立ちます。

RFP作成の重要性

**1. 明確なコミュニケーション：**

RFPは、発注者がプロジェクトに対する期待と要求を明確に伝えるためのツールです。これにより、誤解を減らし、サプライヤーが正確な提案を行うことができるようにします。

**2. 公平な競争：**

RFPは、複数のサプライヤーから公平に提案を受ける機会を提供します。これは、発注者がさまざまな選択肢を検討し、最適なサプライヤーを選択するのに有利です。

**3. リスク管理：**

プロジェクトの要件と評価基準を明確にすることで、発注者は潜在的なリスクを事前に管理することができます。これにより、プロジェクトの成功の可能性を高めます。

RFPプロセス

**1. RFP準備：**

プロジェクトの要件を定義し、RFP文書を作成します。内部レビューと承認を経て、最終的なRFPを確定します。

**2. RFP配布：**

潜在的なサプライヤーにRFPを配布します。通常、電子メール、ウェブサイトへの掲載、公開入札公告などを通じて配布されます。

**3. 提案書受付：**

サプライヤーから提案書を受け取ります。提案書は、提出指示に従って、形式と内容を忠実に作成する必要があります。

**4. 提案書評価：**

受け取った提案書を評価基準に基づいて審査します。価格、技術力、経験、スケジュール遵守などを総合的に検討します。

**5. 交渉と契約締結：**

最終候補者と交渉を行い、契約条件を確定します。交渉が完了したら、契約を締結し、プロジェクトを開始します。

RFPの例

**プロジェクト概要**

プロジェクト名：新しいウェブサイト構築
目的：ユーザーエクスペリエンスの向上とオンライン販売の増加

**詳細要件**

機能：ユーザーログイン、製品検索、オンライン決済、管理者ダッシュボード
デザイン：モバイル最適化、ブランドアイデンティティの反映

**提案書提出指示**

提出形式：PDFファイル
提出期限：2024年6月30日

**評価基準**

技術力：40％
価格：30％
経験：20％
スケジュール遵守：10％

**プロジェクトスケジュール**

RFP配布：2024年5月1日
提案書受付締め切り：2024年6月30日
最終選定発表：2024年7月15日

**予算**

予算範囲：5,000万円～7,000万円

結論

RFPは、プロジェクトの成功した実行のための重要な文書です。これにより、発注者は明確な要件を伝え、最適なサプライヤーを選定することができます。RFPの作成を成功させるためには、明確な目標設定、具体的な要件の定義、公平な評価基準の設定が必要です。RFPプロセスを通じて、プロジェクトのリスクを管理し、最良の結果を得ることができます。

❗**さらに知っておくと良い情報**

RFPを依頼する前に、ミーティングを通じて関連する議論を1次的に行うことはありますが、RFPを送付する際に、ミーティング時と必ずしも同じ内容で送付されるわけではありません。クラウドサーバーで実施しても良いとされたにもかかわらず、突然変更して社内サーバーに構築する必要があると変更される場合もあります。したがって、以前議論されたからといって、必ず入札するわけではなく、RFPを注意深く読み、不明な点があれば連絡して質問し、入札を行うことを確定した後に提案書を作成することになります。